あいさつ

阪大VBLと人材育成


VBL部門長 伊東一良  


米国発の経済危機が騒がれ、人々がこの事件に慣れ始めた頃に、メキシコ発の新型インフルエンザの危機が突然報道され、現在も日常のニュースの中心になっています。このふたつの事件は、奇しくも共に世界の西の端、新大陸が発端となっています、グローバル化した現代社会を象徴する事件でもあります。阪大VBL(ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー)の活動も、グローバルな分野の典型と言えるビジネスと科学技術の2つの世界に深く関わっています。しかし、グローバリゼイションからの要請であるVB起業やイノベーションの創生には、人を惹きつけるローカルな地域クラスター形成が必要だといわれてます。阪大のモットーである「地域に生き、世界に伸びる」というフレーズは、不思議とこの事実にも当てはまります。

阪大VBLは、「研究教育を通じて、21世紀の科学・技術の発展を担う起業家精神に富む大学院生等の若手の人材を養成する」ことを設立趣旨として、平成8年度に設置されました。その後、先端科学イノベーションセンターの「ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー(VBL)部門」として、「総合リエゾン・コーディネーション部門」、「先端科学技術インキュベーション部門」と連携しながら、広く学内外から兼任教員、客員研究員を迎え、イノベーションのための人材育成とシーズ創生を受け持っています。

「ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー部門」には、現在、研究プロジェクト委員会のもとに、1. 情報システム、2. 環境・エネルギー、3. バイオメディカルプロジェクトチームが置かれ、教育・社会貢献委員会のもとには、1. ベンチャービジネスプロジェクトチームが置かれています。このチームは、前VBL長の小林敏男教授の発案から生まれた阪大VBL独特の組織で、研究開発助成金獲得から研究の事業化までの支援を行っています。この他、技術シーズ発掘からVB起業の支援、MOT教育を推進する「スタートアップ支援室」、科学技術関係人材のキャリアパス多様化を促進する「科学技術キャリア創生支援室」を備えています。これらの組織のもとで、1,ベンチャー精神に富む独創的人材の発掘・支援、2,起業創出のためのシーズを生み出す研究、3,社会連携および起業支援・新産業創出に励んでいます。最近は、特に起業創出のためのシーズを生み出す融合型共同研究とその技術を実現するための博士人材の育成事業を推進しています。「科学技術キャリア創生支援室」では、兼松泰男教授を中心として、大阪大学 産学連携推進本部 イノベーション創出部イノベーション人材育成部門と協力し、「協働育成型イノベーション創出リーダー養成(CLIC)」プログラムに協力してまいります。

阪大VBLは、今後、極東に位置する日本の歴史と文化の中心地域にあって、「地域に生き、世界に伸びる」VB起業・人材育成、シーズ創生の中心となるべく、地域の産業や阪大発ベンチャー企業、青い銀杏会など、地域の各種コミュニティーの人材ネットワークと密に連携し、活動して参ります。諸兄におかれましては、今後とも阪大VBLの発展のために、ご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

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